第4章 変化
目が覚めると傑さんに抱えられていた。
『んん…す…ぐるさ…』
傑「風海!!よかった!」
泣きそうな顔。強く抱きしめられた。
私、どれくらい意識がなかったんだろう。
『悟さんは?』
傑「生きているよ。反転術式が使えるようになった。」
ほっと一息ついた。
みんな生きてる。
みんなって?
理子ちゃんと黒井さんは?
私はやっぱり冷たい人間みたい。
痛む身体を動かし、傑さんの首に抱きつき顔を埋めた。
安心したのと、酷い考え方をする自分に軽蔑して涙が出てくる。
傑「よく頑張ったね。泣かないようにしていたんだろう?」
優しい言葉をかけないで。
私は酷い人間なの。
悟さんは理子ちゃんのご遺体を運んでる。
…表情がいつもと違う。
何があったの?
『傑さん、何があったのか教えて』
傑「任務は失敗した。」
それ以上は何も言わなかった。
たぶん、2人にとって初めての挫折なんだろう。
でも私は2人が生きていてくれて嬉しかった。
声を出さないようにして泣いた。