第4章 変化
まっすぐ一本道を走っている。横抱きだと走りにくいらしく、後ろ向きで脇に抱えられてる。頭が揺れて気持ち悪い。
手足は拘束されているが口は自由。今は黙っておいて、いざとなったなったら声を出そう。
なんとなく明るくなってきたと感じた。
ついに到着してしまった。傑さんの声がする。
傑「帰ろう。」
『理子ちゃん!危ない!』
パンッ
と銃声が響き、倒れる音がする。
私からは見えないけど、当たってしまった。
『傑さん!この人、全部知ってる!逃げて!』
傑「風海!…おまえがなぜここにいる。」
お願い、目の前で死んでしまうところは見たくないの。
逃げて。
わかってる。
きっとあなたは逃げないけど。
伏「なに?おまえの女だった?いい女だよな、コイツ♡」
と言いながらおしりを叩かれる。
『ひゃっ!』
思わず声が出てしまった。
立たされて傑さんと目が合う。背後には男が立ち、後ろから胸を持ち上げられる。
伏「いいもの持ってるね♡風海。夜が楽しみだ♡」
『触らないで!』
傑「ふざけるのもいい加減にしろ。彼女に触れるな。
…悟はどうした?」
伏「なんでって?あぁ、そーゆー意味ね。
五条悟は俺が殺した」
傑「そうか、死ね!」
私は弾き飛ばされ、地面に転がった。頭を打ったようで眩暈がする。攫われたらもっとみんなに迷惑がかかる。大切な人が殺されてしまう。
どうにかしないと!
縄を解こうとするほど食い込んで血が滲む。
血は出せない。歯で噛みちぎろうにも時間がかかる。
傑さんのことも心配だし、悟さんは本当に…いや、自分の目で確かめるまでは信じない。
激しい戦闘が繰り広げられてる。
音がしなくなった。恐る恐る顔を上げると、倒れている傑さんが目に入ってくる。
『傑さん!!』
伏「親に感謝するんだな。呪霊操術は死んだ後取り込んだ呪霊がどうなるかわかんねぇからな。」
戻ってきた男に抱えられてその場から離れる。
『いやっ傑さん!傑さん!いやぁぁぁ!』
肩に乗っていた呪霊に飲み込まれていく理子ちゃんの遺体。
伏「いや…おまえはかわいいから連れて歩きたいな」
そう言ってから気絶させられた。