第4章 変化
夏油side
あの日から、いい関係が続いている。
物足りないといえばそうなのだが、悟と協力して風海を守っていこうと。互いに抜け駆けしないように取り決めをした。
私たちの喧嘩が減って、硝子も担任も何も言わなくなった。
ある日、いつものように風海の部屋へ行くと中から声がする。悟が先に来ているのか。
『やだっ!止まって!悟さん…痛い』
…なにしてる?
悟「うるせぇな。おまえがやってほしいって言ったんだろ?ほらっ」
まるで彼女を攻めているような…
『うぅ〜だって…あっ!』
風海の苦しそうな声に思わず部屋に飛び込んだ。
目に飛び込んできたのは、足を開脚して前屈みになった彼女。その背中に足を組んで座る悟。
なんだ。ただの柔軟体操か。
思わず…よからぬことを考えてしまった。
悟「何だよ、そんなに焦って。まさかえっちな展開を想像した?w」
ニヤニヤしながら問われる。君だってあの声を聞いて想像してたってことだろ。
あの日の風海を思い出し赤面する。彼女の初めての日、声にこそ出さなかったが、背中や肩についた引っ掻き傷が痛みを表していた。すっかり治ってしまった傷が懐かしい。
自分がこんな風になると思わなかった。思わず片手で顔を隠した。
傑「…やめろ。」
『うぅ…傑さん、助けて…』
か細い声で頬を赤く染め、涙目で見上げる彼女。
小さく震えている彼女をもう少し見ていたい。
これはいよいよまずいな。好きな子だとこんな風になってしまう。情けない。
『ふぅ…ふぅ…悟さんもういい…あぁ゛〜傑さん助けて…』
悟と目を合わせる。
たぶん同じことを考えてる。
2人で攻めたら楽しそうだと。
まぁそんなことはしたくないが。彼女の肌を他人に見られるのは嫌だ。それは悟も思っているだろう。その辺の遊びのおんなとは違う。
大切な女の子だ。