第4章 変化
夏油side
教室に悟が機嫌よく入って来たことに余計に腹が立った。
やり合おうとした時に担任が入って来て、護衛の変更を検討すると言われ呪力を収めた。そればっかりは避けなければならない。
授業が終わり部屋に戻ろうとする悟について行く。今日こそ風海と話がしたい。きっと悟に抱き潰されて、身体中が痛いはず。まだ2回目なのに無理をさせて…。
初めての男は自分だというのは変わらない事実。
そこに自信を持つのはどうかと思うが、少しばかり自信を取り戻している。
ドアを開けると、今朝も感じた風海の匂い。
ベッドに目を向けると、気持ちよさそうに眠る彼女。誰の部屋かも忘れて思わず微笑んでしまう。Tシャツの下から覗く足に釘付けになった。歯型とたくさんの赤い華が咲いている。それをさりげなく隠す悟に苛立ちを覚えた。
悟「おい、いつまで寝てんだよ。」
『んん…おかえり〜悟。…いたた…』
今、悟と言ったか?私たちの前では悟さんと呼んでいるのに、2人きりの時は違うのか。またもや黒い感情が押し寄せる。
傑「よく眠れたかい?」
まさか私がいるとは思っていなかったんだろう。驚き気まずそうな表情でこちらを見ている。
なぜ気まずいと思う?君は私のことを好きだと言っただろう?
『…はい。』
そして気がついた。私は彼女に自分の気持ちを伝えたのか。
あぁそういうことか。
だから君は私を避けていたのか。おそらく避けられていた原因がわかった。気がついたらその理由さえ愛しくて、悟がいることすら気にならなくなった。
悟「じゃ、部屋戻る?」
『悟さん、まだ歩けないかも』
前言撤回。あの甘い雰囲気はなんだ?
悟「あぁ?しょうがねぇな。」
しょうがないと思ってないだろ、悟。
彼女がTシャツの下に何も身につけていないことは一目瞭然。海の時とはわけが違う。他の男に手を伸ばして横抱きされているのに、自分の下半身が疼くのが恨めしい。
傑「待て、そのまま外に連れて行く気か?誰かに見られたらどうする?少しは気をつけろよ。私は冷静でいられなくなる自身がある」
本当は自分のものにして閉じ込めておきたい。自分がこんなに嫉妬深い男なんだと初めて気がついた。