第1章 おもちゃ廃棄場
最後に、MENザウルスを引き取った。最後というのは、僕の住宅兼仕事場である廃棄処分置き場が、もうおもちゃで溢れ返って引き取りが難しくなったからだ。
MENザウルスは、豚のような顔をした恐竜のおもちゃだ。
なんでもこのMENザウルスは、粘土工作が好きという設定があり、多くの子どもたちは粘土のそばに置くことが多いらしい。
しかし不気味なのは、その粘土のそばに置いた後、気づいたら作った覚えのないものが置かれてあるという不思議な現象が起こることだった。だから僕のおもちゃ最後の墓場に、このMENザウルスがやって来たのだ。
僕もMENザウルスを粘土のそばに置いておくことにした。僕もMENザウルスが作る粘土工作を見てみたかったからだ。するとその現象は一晩で起きた。粘土の小さな一軒家が出来ていたのだ。