第17章 料理を二度と作らないと決めた日(潔・凪・凛・ネス)【後編】
潔世一
お風呂に入ってる間も泣いてしまった目元は腫れてしまっていた。目元を冷やさなきゃと思いながらリビングに繋がる廊下を歩いていれば、何故かすすり泣くような音が聞こえてきて首を傾げながら入ればそこには泣いているよっちゃんの姿があった。
『よっちゃん…!?』
「🌸、ご、ごめん…。ごめん、ごめんんん…!」
ギャン泣きと言ってもいいぐらい泣くよっちゃんに驚いていれば、よっちゃんが抱きついてきたのであやす様に背中を撫でた。
「俺、🌸の事傷付けた……。疲れてイラついてたからって、言っちゃダメな事言って、ごめん。でも、🌸の料理が嫌いとかじゃないんだッ」
そういえば、よっちゃんは料理は嫌いとは言ってなかったなとい事を思い出す。
「本当は、料理する度🌸怪我してたからッ、無理に作って欲しくなくて、…なんで怪我するのに料理作るんだろってイラついてッ…。ごめんんんん!!」
『……そっか、そっかぁ。よっちゃん私を心配していってくれたんだね』
そういえば料理する度に私が怪我するからよっちゃんはよく心配してくれた事も思い出して、よっちゃんの優しさが傷付いた心を優しく癒してくれた。
『よっちゃん、心配してくれてありがとう…。私もよっちゃんに心配かけちゃってごめんね?』
「ん。🌸」
『なぁに?』
「ご飯、食べたい。🌸のご飯…」
『うん、作ろうね。ご飯捨てちゃってごめんね』
「うん」
泣きながら嬉しげに笑うよっちゃんに私は嬉しくなってまた料理を始めた。怪我をしないように気を付ながらまた焦げたご飯を作る。