第34章 結婚指輪を捨てた日(潔・蜂楽・千切)
千切豹馬
ひょーまの片付けないクセに対しての喧嘩がヒートアップした時、ひょーまから「結婚なんかしなきゃ良かった」と言われた。最初は驚いてしまい目を見開くばかりだったが直ぐに怒りと悲しみが湧き上がった。
『分かったよ。じゃあ離婚しよう』
「は?🌸、お前本気で言ってんの?」
『ひょーま、私と結婚した事後悔したんでしょ?なら離婚しよう。指輪も要らない』
そう言って指輪をゴミ箱に投げ捨てた。するとひょーまはギョッとした顔をして、直ぐにゴミ箱から指輪を拾い上げた。
「お前、何してんだよ…」
『知らない、もう要らない。離婚する』
そう言って私は家を出ようとして玄関に向かおうとしたが止められた。ひょーまに後ろから抱き締められて動けなかった。
「ごめん、ごめん🌸。言っていい事と悪いことがあんのに…俺、🌸が傷付く事言った」
『知らないってば。少しでも私と結婚したの後悔したから言ったんでしょ?』
「後悔なんてしてねぇよ!🌸と結婚したことなんて後悔なんてしてない。このまま喧嘩別れした方が後悔する!だから…ごめん。ごめん🌸」
とひょーまは私の肩に顔を埋めてきて、服がじんわりと濡れる感覚があり溜息をついた。そして振り向いてからひょーまの頬を包み込むと顔をあげさせた。
『もう、言わない?』
「言わねぇ…」
『じゃあ、仲直りしよ?指輪付けてくれる?』
「付ける」
涙目になりながらひょーまは指に指輪をつけてくれた。
「もう言わねぇから離婚するとか言わないでくれよ?泣いちまうから」
『もう泣いてるじゃん』