第31章 子供は私だけで育てると決めた日(潔・千切・玲王)【後編】
御影玲王
『なんで、寝不足で倒れちゃってるの』
病院に行けば玲王は病室で申し訳なさそうな表情で横たわっていた。原因は寝不足らしくて焦って来て損したと思ってしまいながらも、無事だった事にホッとする。
「ごめん…。🌸が居なくなってからすげぇ後悔ばっかりして、どうやったら許してくれるんだろうと思いながら寝れなくなって…」
『そんなになるなら、最初から言わないでよ』
「ごめん」
弱々しく謝ってくる玲王に溜息をつきながら、無事なら帰ろうと思い椅子から立ち上がれば勢いよく腕を掴まれ
「🌸、行かないでくれ。話を聞いて欲しい」
そう言われたので椅子に座り直した。
『なに?』
「🌸を傷付けるような事、言ってごめんなさい。別れたくないです」
『私は傷付いた。何回も言われて苦しかった』
「うん…ごめん。俺、🌸に甘えてたんだ。別れるって言っても🌸が離れていかないからって」
そう言いながら玲王は震えていて弱々しく見えてまた溜息をついてしまう。
「もう言わねぇ。言わないって約束する。だから、傍に居てくれ。赤ちゃん、一緒に育てたい」
『…仕方ないから戻ってあげる。でも、また言うなら本当にもう出て行くからね』
その言葉に玲王は顔を明るくさせた。その後復縁したあとは本当に玲王は言わなくなったし、なにより過保護が増したけど喧嘩する度に最後は玲王が「別れない、出てかないで」とすがるので赤ちゃんと溜息をつくようになったのはまた後の話である。