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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



人間とは、面倒臭い生き物だ。
忘れようとすればするほど意識してしまうのだから。

「主!手入れ部屋は空いてるかにゃ?!」
「ええ、空いてるけどどうしたの?」

日光一文字が出陣先で山鳥毛を庇って重度の負傷、どうやら検非違使にやられたらしい。

「………!山鳥毛、日光…!」
「…っ、私は大したことはない…。
それよりも、日光を…我が翼の手当てを、急いでくれ…」
「分かった…。すぐに薬研を連れてくるから、手入れ部屋に入って待ってて」

薬研と手入れ部屋に入ると日光はベッドに横にさせられ、山鳥毛や南泉と一緒に待っていた。

「…日光の容態は?」
「……流石だな…、急所は避けているようだ。時間は掛かるが、傷はちゃんと治るぜ」
「…そう、か。すまないな、薬研。うちの鳥が」
「山鳥毛さんは見た目の割に大したことないから、すぐによくなりますよ」

消毒を終えて包帯を巻いていく。

「南泉は軽傷、消毒して絆創膏を貼るだけで十分だな。
流石は猫、軽い身のこなしと言ったところか」
「悪かった…。薬研、日光の兄貴のことは頼んだ…にゃ」
「ああ、任せろ」

軽傷で済んだ南泉は手当てが終わると、手入れ部屋を出た。

「山鳥毛も、ゆっくり休んで」
「ああ、ありがとう」
「日光は大将の霊力を使った方がいいかもしれないな…。
お願いしてもいいか?」
「…も、もちろん…!」

刀剣破壊にまでは至らなかったが、日光の場合はそっちの方がいいと薬研に言われた。

「小鳥の霊力…か…」
「ああ、治癒だよ。誰かが深手を負った時くらいにしか使わないるしいんだが」

「小鳥よ、私の事は構わない。深手を負った我が翼の傷を、癒やして欲しい」
「え、ええ…」

日光には、あの葡萄棚を見ずに消えてもらっては困るから。

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