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日と月【刀剣乱舞】

第1章 眠り姫



「いや、これは私が育てるの。光忠には、補助をしてほしいんだ…」
「ああ、それくらいお安いご用だよ」

光忠はその苗木が立派に育つといいね、と言ってくれた。

「光坊!ちょっと来てくれ!」
「ああ、今行くよ!」

鶴丸国永に呼ばれて、何かあったら言ってくれと言い残した燭台切光忠は畑から走っていった。





あれから苗木は順調に成長し、棚にツルが絡みつくように伸びていった。
審神者の部屋の前にも棚が作られたため、夏には日影にもなるし日差しが好きな葡萄に良いと一石二鳥でもある。
大体は自力で世話を頑張っているが、高い場所は光忠にも手伝ってもらったりもしていた。

「小鳥はこの葡萄が実ったら、誰に食べさせたい?」
「誰…?そりゃあこの本丸の皆と…」

皆と一緒に、と言おうとしたら日光の顔が脳裏に浮かんだ。
が、絶対に違うだろうと首を横に振った。

「ないない…絶対にそれは」

特別な感情なんて、持ち合わせていないと思っている。
今は邪魔になるだけだ。

「ここ、棚が日影になってて休憩に持ってこいだよねー」
「でもなんの木だろうね」
「燭台切さんがまた主さんに頼み込んで追加して貰ったものじゃないの?」

刀達が休憩に使う場所として定番になった葡萄棚。
これが葡萄と知っているのは、今の所山鳥毛と燭台切光忠のみ。

日光の顔が脳裏に浮かんで以降、妙に意識するようになってしまった。
彼が近侍になった時はなんだかドキドキして、遠征や出陣で出る時は無事に帰ってきて欲しくて目で追うこともしばしば。

当の日光一文字本人は、冷たくあしらってくるが。

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