第1章 眠り姫
「やあ、日光君。体調はどうだい?」
「お陰で回復している」
畑仕事をしながら、燭台切光忠と主の話をしている。
主は相変わらず眠っている、と。
「そっか…、まだ目が覚めないんだね…」
「…俺が未熟だったせいだ」
「分かるよ、その気持ちは。当時も僕もそう思ったし、今もそう思ってる。
でもね、これ以上自分を責めたらだめだ。
もっと強くなって、主の力になれるように頑張らなきゃ」
主の霊力をもらい、深い眠りに付かせてしまった燭台切光忠が話をしてくれた。
自分も主に負担をかけてしまい、自虐的になったし早く目を覚まして欲しいと願ったことを。
目を覚ました主は光忠を責めることはなかったし、自分の刀として変わらず傍に居てほしいと言ってくれた、と。
その恩を仇で返さないために自分は主命を全うするし、食事だってしっかり摂ってもらえるように努力をしようと心に誓った。
「主、…まだ眠っているのか?」
本丸の仕事を終えて、1人で主の部屋に。
眠っている主と日光一文字の2人きり。
ベッドの縁に腰を下ろせば、日光の重みでギシッと軋む。
眠っているせいで血色もなく、主の白い肌が余計に青白く見えている。
「…………俺の、せい…だな」
1日でも早く目を覚ましてほしい。
あの時の礼は、主が目を覚ましてから言いたいから。