第58章 褒美
フォークとナイフを手に取り
早速一口味わうと、あまりの美味しさに目を見開いた。
『すごく美味しい…!
さすが四つ星ホテルのレストランだね!』
味付けだけでなく
見た目も食欲をそそる様な華やかさがあり
前菜から見るだけでも楽しめる料理だった。
「美緒も以前はこのような料理を作っていたんだろう?」
『うん!私が勤めていた所は
ここより小さいレストランだったけどね。』
前世で副料理長をしていた時は
前菜やスープ、魚料理を作るのを担当していた。
季節によって使う食材を変え、
新しいメニューを作る時はいつもすごく苦労してたあの頃が懐かしい…。
「お前が作るフレンチ料理、是非食べてみたいな。」
『じゃあ今度作ってあげるね!
ただここの料理みたいに高級食材は使えないけど…』
「美緒の作る物なら安い物でも構わない。
どんな料理でも美味いに決まってるからな。」
『っ…』
…もう!
そう言ってくれるのは嬉しいけど照れちゃうから…!!
ただでさえ普段と違うスーツ姿でドキドキしてるって言うのに…
私の向かいに座る昴さんは
やっぱりすごくカッコよくて…
テーブルマナーの作法も完璧だし
料理を口に運ぶ動作もワインを味わって飲む姿も
綺麗過ぎて見惚れちゃいそうになる…
でも目が合う度に昴さんは優しく微笑んでくれるから
きっと私の考えてる事なんてバレてると思う。
そしてその後もスープ、メインと順番に料理が運ばれて来て
私達は食事を楽しんだ。
『美味しかったー!
デザートまで全部絶品だったね!』
料理の感想を昴さんと話していると
私達の元に1人のシェフが挨拶にやって来た。