第57章 綺麗

『あのっ…！衣装すっごく似合ってて可愛いです！』

「ふふっ、ありがとうございます。」


やばい…

笑った顔もめちゃくちゃ可愛い…！！


テレビで見てても可愛いけど生で見るとより可愛い！！



「今日は撮影の見学にいらしたんですか？」

『はいっ！あの…ヨーコさんが着てるその服…
私の友人がデザインしたもので、見学に誘ってもらって…』

「えー！？そうだったんですか！
この服私もすっごく気に入ったから
自分でも買おうかなって思ってたんですよ〜?」




紗栄子…やっぱりあなたは天才だよ。


ヨーコちゃんにこんな事を言ってもらえるなんて
世界一の幸せ者だと思うよ…？



『それと…あの…もし良かったらなんですけど
サイン、って頂けますか…？』

「もちろんです！喜んで書きますよ！」

『あ、ありがとうございます！！』



鞄の中にしまっていた色紙とサインペンを取り出し
ヨーコちゃんに手渡すと、サインと一緒に
私宛ての名前まで書いてくれていた。



「おーい、ヨーコ。そろそろ次の仕事場に移動するよ〜。」

「はーい！ごめんなさい、そろそろ行かなきゃ。」

『が、頑張って下さい！！
新曲のダンディライオンも素敵な曲でした！
これからも応援してます！』

「ありがとうございます！じゃあ私はこれで。
見学、楽しんで行って下さいね！」


ヨーコちゃんは江戸川くん達にも挨拶をすると
マネージャーの人と一緒に撮影現場から出て行った。



『はぁ〜〜…幸せな時間だったな〜…』

「良かったですね、美緒さん。」


本当に会えて良かった…！！
前回よりも沢山話が出来たしサインも貰えたし…


誘ってくれた紗栄子には感謝してもしきれない。




その後も私はヨーコちゃんに会えたことで
浮かれたまま、他のモデルの人達が撮影している様子をポーッとしながら見続けて…



撮影も終盤に差し掛かった頃、
現場の入り口から1人の女性が入って来て
その場にいたスタッフさん達はみんな揃って頭を下げていた。