第48章 脆弱
『赤井さん、話してくれてありがとうございます。
私も…ちゃんと説明しますね…?』
「ああ…だがその前に…」
『…?っ、わっ…!』
赤井さんは隣に座っていた私の腕を急に引っ張って来て…
私を足の間に座らせて、
後ろからスッポリと腕の中に包み込んできた。
『な、な、なんでこの体勢に…!?』
「お前が話すのは安室くんとのことだろう…
妬かずに聞く自信がないんだ……
こうすれば少しは落ち着く。」
…私は落ち着いて話せる気がしない。
『えっ、と……日曜日のこと…なんですけど…』
私はドキドキしながらも
赤井さんと同じようにちゃんと説明した。
友達とランチに行った帰りに
偶然赤井さんとジョディさんを見かけたこと。
雨の中を歩いていた時、安室さんに会って…
前日の土曜日、アーロンさんから言われた事を考えて
一睡もできず、そのせいで倒れてしまった事。
安室さんの家で一晩過ごした事…
連絡が取れなかったのは
安室さんが自分の家を知られたくなかったから
GPSを辿られないようにスマホの電源を切られていた事…。
もちろん、ただ寝てただけだから
体の関係なんて持っていないことも伝えた。
でも赤井さんは、安室さんから大体聞いていたようで
私と安室さんに何もなかった事は分かっていたらしい。
『赤井さん…
日曜日の夜はずっと私の家で待っててくれたんですよね?
ごめんなさい…』
「何かあったのではないかと気が気じゃなかった。」
『うっ…ですよね……
心配かけちゃって…本当にごめんなさい…』
私が赤井さんの立場だったら
多分同じようにかなり心配しちゃうと思うし…
本当に悪い事をしたから、反省しないといけない。
「安室くんには…本当に何もされなかったか…?」
『大丈夫でした!
あの日は本当に何も…なかったんですけど…』
「?けど、なんだ?」
……どうしよう…
あのこと言った方がいいのかな…
正直に話すって言ったんだから
言わないといけないのは分かってるけど…
でも…また怒らせちゃう…よね…?