第48章 脆弱
「…片付け、俺も手伝う。」
『あ、ありがとうございます…』
スッと私から離れた赤井さんは
私の横に立ち、タオルで洗い終えた食器を拭いてくれて
片付けはすぐに終わり、私達は寝室で休む事にした。
2人でベットに入ると、
赤井さんは当たり前のように私の体を抱き締めた。
「明日の午後
警察が事情聴取に来て欲しいと言っていたから一緒に行くぞ。」
『え…でも赤井さんお仕事が…』
「今は急ぎの仕事はない。だから心配するな。」
きっと赤井さんは怖い目に遭った私を心配して
一緒に行くと言ってくれているんだろう。
確かに犯人の男達のことを思い出すだけで
体が震えそうになるくらいだから…
一緒に来てくれるのはすごく嬉しい。
『赤井さん…本当にありがとうございます。』
「礼など要らない。…それよりもう寝ろ。」
『……朝起きるまで…ずっとこうしててくれますか…?』
赤井さんの胸元に置いている手でギュッと服を掴むと
私を抱きしめる赤井さんの力が少し強くなった。
「俺もお前を離したくない…だから安心して寝ろ。」
『嬉しい、です…』
赤井さんの温もりを感じていると私の眠気はすぐに襲って来て
瞼を閉じるとすぐに夢の中に旅立った。
「美緒…お前が無事で本当によかった…
…おやすみ。」