第8章 強制
『はぁー…。』
江戸川くんと赤井さんに尋問なような事をされた日から数日が過ぎたが、私はあの日から毎日ため息ばかりついている気がする。
赤井さんにつけられた赤い痕は、すでにもう薄くなっていて
つけられた時は怖くて嫌だったはずなのに、なぜか今はそれが少し寂しい。
『あー!もうっ!』
「せ、先生…?どうしたの…?」
『!!』
あ、やらかした。今授業中だった…。
『ごめんねみんな!何でもないよ?
じゃあ次は30ページのところから読んでもらおうかな!』
「……先生、そこはさっきもう読み終わったよ?」
『そ、そうだっけ?
ごめんね、先生ぼーっとしちゃってて!
どこまで読んだか教えてもらっていい?』
「もーっ!先生しっかりしてよー!」
教室の中は笑いに包まれたけど
授業中に他の事考えててぼーっとするなんて教師の恥!!
その後は授業に集中してチャイムが鳴ってから
私は教室を出て職員室に向かった。
自分の席に着いてから先程子供達に笑われてしまった事を反省し、再び大きなため息をついた。
「若山先生、どうしたんですか?
そんな大きなため息ついちゃって。」
『小林先生…』
私を心配そうな目で見る小林先生に
授業でやらかした自分の失態を話した。
「若山先生でもそんなことあるんですね!
何か悩みでもあるんですか?」
『悩み…まぁ…そうですね…ちょっと…』
そんな私達の会話を聞いていた1人の男性教員が
私達の元に近づいてきた。