第46章 心痛
「赤井さんの彼女だった人が死んじまったから…
きっとまたジョディさんとよりを戻すんじゃないかと思った。でもその矢先……
あんたが現れたんだよ。」
あぁ…そうか……
きっとこの人はジョディさんの事が好きなんだ…。
だから赤井さんの恋人である私のことが気に入らなくて…
ジョディさんの幸せを邪魔をしている私が許せないんだ。
「あんたが赤井さんと想い合ってるのは聞いてるし
別れて欲しいだなんて思ってない。
だがな……あんたらが幸せになってる裏側で
傷ついている人がいるってこと、ちゃんと自覚しとけよ。」
アーロンさんはそう言い切ると
私の元から去って行った。
今まで私は、赤井さんと一緒に過ごす事で
ずっと幸せな気持ちでいたから……
赤井さんの過去のことなんて全然知らなかったし
知ろうとも思ってなかった。
自分のことしか考えていない自身に対して
呆れる気持ちを抑えられない。
ジョディさんは本当に今も…赤井さんを想っているのかな…
もし私が現れなければ…赤井さんと出会わなければ…
あの2人はよりを戻して幸せになれた…?
私がジョディさんの幸せを奪ってしまったの…?
アーロンさんが言うように
ジョディさんがまだ赤井さんのことが好きだったとして
赤井さんと一緒にいる私を彼女はいつもどんな気持ちで見ていたんだろう…
赤井さんが死んだと思ってた時だって…
一体どんな気持ちで私を慰め続けてくれていたの…?
そう考えると胸が苦しくて押し潰されそうだった。
私がジョディさんの立場だったらきっと嫉妬を抑えられない。
でもジョディさんは私と会う時はいつも私に優しくしてくれて…
いつも優しい笑顔を向けてくれていた。
ジョディさんの気持ちを考えると、
自分の無神経さに本当に腹が立つ。
『なんで……今まで気付かなかったのかな…』
そう呟いたところで
ジョディさんが私の元に走って近づいてきていた。
……暗い顔してたらだめだ。
ちゃんと…笑わないと……