第45章 久々 ✴︎
『ジョディさん、
送って頂いてありがとうございました!』
「気にしないで?
それよりまたランチに行きましょ!連絡するわ。」
私のアパートに到着し
ジョディさんにお礼を言って車を降りた私と赤井さん。
車が走り去るのを見送ってから私の部屋へと2人で向かった。
部屋に入ったら赤井さんにはゆっくりしてもらって
晩ごはんの仕上げをやろう!と考えながら部屋の鍵を開け
玄関の扉が閉まるのと同時に赤井さんは私の体を正面から抱き締めた。
『っ、あの…赤井さん?』
「少しだけ…抱き締めさせろ。」
またこの前みたいに玄関で抱かれるかと思ったけど
今回は違うようで……
しばらく赤井さんの香りに包まれていると
スッと体を離してくれた。
「なんだかいい香りがするな。」
『あ、はい!気合い入れてたくさん作ったんです!』
2人で靴を脱ぎ、キッチンに向かって
並べられた料理を見て赤井さんは驚いていた。
「すごいご馳走だな…
機内食は食べていなかったからありがたい。」
『えぇ!?じゃあすごくお腹空いてますよね!?
すぐ仕上げちゃいます!』
エプロンをつけて調理に取り掛かろうとすると
今度は後ろからギュッと抱き締められた。
『っ、あの……?』
「お前が絶対美味い飯を沢山作ってくれてると思ったから
何も食べないようにしたんだ。…言わせるな馬鹿。」
『!!』
私の作るご飯を楽しみにしてくれていた
赤井さんの気持ちが嬉しくて……
ドキドキと早い鼓動を感じながら
前に回された赤井さんの手に自分の手を添えた。
『も、もう少し時間かかりますから…
先にお風呂入ってきますか?』
「ああ…そうさせてもらう。」
『っ…ひゃっ…!』
私の耳にちゅっ、と音を立ててキスをした赤井さんは
私から離れるとお風呂場の方へと向かって行った。
『〜〜っ、もう!耳弱いの知ってるくせに!』
赤井さんの背中に向かって叫んだけど返事はなくて…
絶対あの意地の悪い顔で笑ってるに決まってる!!
でもこんなやり取りも久しぶりだから嬉しくて
私の口元はしばらくニヤついたままだった。