第44章 帰国
休日である今日は、朝のんびりと目覚めて
溜まっていた部屋の掃除や洗濯などの家事を行い
気がつくとあっという間にお昼の時間。
昼ご飯は何にしようかと考えていると
私のスマホが着信を知らせた。
…ひょっとして、また安室さん……?
恐る恐るスマホの画面を見ると
そこには赤井さんの名前が表示されていて私は慌てて電話に出た。
『も、もしもし…!?』
「俺だ、今大丈夫か?」
『はい!
今日は休みなので家の掃除とかやってたところです!』
いつも電話がかかってくるのは夜だったから
こんな昼間に赤井さんの声が聞けるなんて思わなくて…
私の心はとても弾んでいた。
『珍しいですね?こんな時間に電話頂けるなんて…
何かあったんですか?』
「ああ、実はな…仕事が思ったより早く片付いたから
明日には東京へ帰れる事になったんだ。」
『え!?本当ですか!?』
予定より3日も早い日本に帰ってくるというお知らせ…
嬉しい気持ちが一気に膨れ上がった。
「恐らく成田空港に着くのは夕方だ。
そのままお前の家に行こうと思っているんだが…
かまわないか?」
『も、もちろんです!ご飯作って待ってますね!』
「ふっ…期待している。また明日な、美緒。」
『はい!気をつけて帰ってきて下さいね!』
電話を切った後も私はニヤける顔を抑えられず
スマホを胸の前でギュッと握りしめた。
『明日…久しぶりに会えるんだ…』
帰ってくる予定が早まったと言っても
赤井さんに会うのは10日ぶり…
たったの10日と思われるかもしれないけど
赤井さんに会えない日がこんなにも続くのは初めてで
私は完全に赤井さんの虜になってしまっているようだ…
『…こうしちゃいられない!
明日のご飯のための買い物行かなきゃ!!』
自分のお昼ご飯のことなんてすっかり忘れ
私はすぐに近所のスーパーでたくさんの食材を買い込み
アパートに帰ってきてからは明日の夕食の仕込みを夢中でしていて…
気がつくともう夜ご飯の時間になっていた。