第7章 瞞着
「「「せんせい、おはようございまーす!」」」
『みんなおはよう!
じゃあ出席を取るから名前を呼ばれたら返事してね?』
今日もいつも通りの日常。
先日のピンポンダッシュの事件から
相変わらず江戸川くんに監視されているような視線は感じるけど、最近はもう放っておこう…という気持ちが強くなって気にしない事にしている。
ちなみに赤井さんとは
私が変な男に絡まれた所を助けてもらった日から会う事はなかった。
まぁ……偶然会っただけだし、会わないのが当たり前なんだけどね?
でもあの日…俯いていた私の頭に置かれた
赤井さんの掌の感触がまだ忘れられないでいる。
なんであんな事をされたのか分からないけど…
頭から彼の体温を少し感じただけで胸がトクンと高鳴った気がしたんだ。
それにあの時の事を思い出すと
また赤井さんに会いたいなぁ、なんて考えてしまう自分がいて
何でこんな事を考えてしまうのか自分の事が理解できなかった。
たぶん…あの人がイケメンすぎるから
触れられて動揺しているだけだと言い聞かせているけど…。
きっとこの感情に名前なんてない…
なんて言ってるけど本当は答えを分かってる。
それを認めてしまうのが私は怖いんだ……