第35章 水着 ✴︎
ホテルの出口に向かう途中、私は1人でトイレに行き
用を足した後でみんなが待っている場所へと向かったんだけど…
ホテルの自動ドア付近にいるみんなは
なんだか少し騒いでいるようだった。
「や、やだよ僕!絶対怒られるもん!」
「いいから言われた通りにしなさいガキンチョ!」
…なぜか江戸川くんは園子ちゃんに怒られていて
その様子を蘭ちゃんと世良さんは苦笑いしながら見ていた。
「ねぇ園子、本当にコナン君のスマホから送るの?」
「怒られたりしないか?」
「その時は謝れば許してくれるって!
ほらガキンチョ!早く昴さんに送りなさい!」
「……分かったよ。」
少し離れたところからでも聞こえたみんなの会話。
メールで昴さんに何か送ったようだけど…
『江戸川くん?何かあったの?』
「あ…先生……実はね…」
「なんでもないでーす!
昴さんにはさっきの事件の事を報告してたんです!
じゃあ私達は先に帰りますね〜!」
園子ちゃんは私に早口でそう言うと
江戸川くんと蘭ちゃんを引き連れて早々にいなくなってしまい
その場には私と世良さんだけが残った。
『えー…園子ちゃんは何を企んでるの?』
「大丈夫大丈夫。きっとなるようになるって!」
『…。』
世良さんもどうやら教えてくれなさそうで
そろそろホテルの部屋に戻ると言っていた。
「じゃあな先生。またいつか会おうな!」
『うん!またね、世良さん。』
彼女に手を振ってから
自分のアパートへ帰るために近くのバス停に向かった。
また殺人事件に巻き込まれてしまい
精神的に少し疲れたけど、江戸川くんと世良さんのお陰で事件は無事に解決したから本当に良かった。
今度赤井さんに会えた時に
今日起きた事件の話をしてみようかなと考えながら
私は自宅に帰ってきた。