第28章 真相 ✴︎
side 赤井
美緒に見送られて工藤邸を出た俺は
適当に時間を潰した後で
ジョディとキャメルのいる場所へ向かい
2人が乗る車にこっそり忍び込む事に成功した。
予想通り2人は俺の死に不信感を抱き
何かある、と調べるために来葉峠へ向かって車を走らせていた。
しかしその途中
キャメルが怪しい車に尾けられていることに気づき
そいつらを振り切るため、車体は大きく揺れた。
少し無茶な運転をしたせいで、タイヤがエアー漏れを起こし
バーボンの仲間がジワジワと車で迫って来ていた。
…そろそろだな。
俺は隠れていた場所から移動し後部座席に座った。
「キャメル、屋根を開けろ。」
「え…!?あ、はい…!!」
車の屋根が開き、俺の姿を見た2人は驚いていたが
話をするのは奴らとのケリをつけた後だ。
「次のカーブを抜けたら200mのストレートの道がある…
そこで5秒間、ハンドルと速度を固定しろ。いいな?」
「りょ、了解です!」
「っていうか、アンタ今までどこで何してたのよ!
なんでこの車に乗ってるわけ!?」
「フッ…全ては思惑通りだよ。…あのボウヤのな。」
バーボンの仲間が2人を拘束するため、車での外出中に仕掛けてくる事をボウヤが予想していたと話しながら
俺は懐にしまっていた手袋を装着し
体勢を変え追ってくる車に向かって銃を構えた。
「ちょっと無茶よ!
タイヤのエア漏れで車が揺れているのに
拳銃の照準を定めるなんて…!」
「問題ない。…規則的な振動なら計算できるからな。」
ストレートの道に差し掛かり
俺は追ってくる車のタイヤ目掛けて発砲した。
追手の車はスリップし、振り切る事には成功したが…
まだ奴と話す事が残っている。
「キャメル…戻れ。」
「っ、了解です!」
「ちょ…ちょっと!嘘でしょ…!?」
ジョディが慌てふためく中、車は追手の元へ戻り始めた。
しばらく走るとバーボンの仲間たちが故障した車の前で立ち往生しているところを見つけ車を停めて声をかけた。