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《赤井夢》Happiness{R18}

第23章 信用




『また今度…お礼させて下さい。』

「期待しておく。」



何も知らないままでいた自分に不甲斐なさを感じていると
車は私のアパートに到着した。




『送って頂いてありがとうございました。』

「気にするな。
それより美緒、休みは明日までだったよな?」

『はい。明日は香坂先生がパリに帰国するそうで
お昼頃に空港まで見送りに行くんです。』

「じゃあ明日、俺が空港まで送って行ってやる。」

『えっ…!?良いんですか?』

「ああ。せっかくお前が休みなんだ。
少しでも一緒にいたいからな。」


またこの人は私が喜ぶ事をサラッと言うんだから…!
嬉しさで締め付けられる胸を押さえながら
私も思っている事を口にした。




『私も…赤井さんと一緒にいたい、です。』


俯きながら彼に向かってそう言い、
恥ずかしさから逃げるように車を降りようとすると
腕を掴まれて引き止められてしまった。


「言い逃げするな。」

『うぅ…だって……』


恥ずかしくて俯いたままでいると
昴さんの手が後頭部に回り、グッと引き寄せられ
ちゅっ、と優しいキスをされた。


「…また明日な、美緒。」

『は、い…。お仕事頑張って下さいね。』


車を降りると昴さんは私に軽く手を上げると
すぐに去って行った。



私は彼の車をぼーっとしながら見送り
先程キスされた事を思い出し、自分の唇に手を当てた。


『また昴さんとキスしちゃった…。』


昨日の夜は赤井さんと体を重ねて今日は昴さんとキスをし
2人の男性と関係を持っているような感覚で…


なんだかイケナイ事をしている気分だ。



しかし中身は赤井さんである事には変わりないので
私は幸せな気分のまま自分の部屋に向かった。







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