第4章 熊猫
「面白いショーだったね!」
『ねー!ホワイトライオンめっちゃ可愛かった!』
私は今日、仕事の休みを利用して
友人の紗栄子と一緒にアニマルショーを見に来ていた。
有名なショーみたいで誘われたから来てみたけど
思ってたより遥かに楽しめた。
グッズを買い、ランチにでも行こうかと話していると
複数の子供達に名前を呼ばれ振り返った。
「「「若山先生〜!!!」」」
『!!みんなもこのショー見に来てたんだ!』
そこには相変わらず元気そうな江戸川君達5人組と阿笠博士さんが私に手を振っていた。
「ねぇ美緒、知り合い?」
『うん、私が勤めてる小学校の生徒達だよ。』
紗栄子に子供達の紹介をしていると、
彼女のスマホが着信し、会社から仕事で呼び出されたと言っていた。
「ごめん美緒!ランチはまた今度ね!」
『ん、分かった。仕事頑張って!』
彼女を見送り、帰ろうと思ってみんなの方へ向き直ると
一緒にランチをしようと誘ってくれたので、
せっかくだしご一緒することにした。
そんな時、外国人の男性が記者に囲まれているところに遭遇した。
「誰だ?あの記者に囲まれてるおっさん。」
「ああ、アニマルショーのスポンサーのランディ・ホークさんじゃよ。ほれ、歩美くんが持っているパンフレットに顔写真が載っておるじゃろ?」
私も見させてもらったけど、確かに本人のようだ。
…しかし外国人の男性は、自分はホークじゃないと言い張ってて、かなり困った様子だった。
『うーん…なんか困ってるみたいだし、助けに行ってくるね!』
「えっ!?若山先生が?大丈夫?」
…大丈夫?って、ひどいな江戸川くん。
仮にも私は教師だよ?
『いい方法があるの。みんなはここて待ってて?』
私はみんなの元から離れ、外国人男性の元へ向かった。