第3章 場周
私はその後、点滴が終わってから薬を処方された。
かなりの高熱が出ていたけど、点滴のおかげでだいぶ落ち着き、タクシーで自宅に帰ってきた。
阿笠さんのビートルで送ると言われたけど、
子供達もいたし、定員オーバーになっちゃうから私は遠慮させてもらった。
子供達はみんな私の事をずっと心配してくれていて
とても優しい子達だな、と胸が温かくなり
教師になってよかったなぁって心からそう思った。
タクシーに乗る前には、
「若山先生…助けてくれてありがとう。お大事に。」
…と、灰原さんに声をかけられた。
彼女にこんな風に言ってもらえるとは思ってなくて
灰原さんの頭を撫でてあげると照れ臭そうに笑っていた。
自宅のベットで子供達のことを思い出しながら横になっていると、次にフッと浮かんできたのは赤井さんのこと。
…やっぱりもう一度会ってお礼伝えたいな……。
そう願っていると睡魔が襲って来て、私は瞼を閉じて眠りについた。