第18章 釣魚
先日、昴さんに告白?
みたいな事をされた日から数ヶ月が経った。
私達の関係は特に変わらなくてたぶん友人関係のまま…。
だって昴さんと色々あった日の翌日
彼はいつものように【次の料理教室はいつにしますか?】
っていうメッセージ送ってきたし
何もなかったかのように接するしか…ないよね?
キスされそうになったわけだから
しばらくの間は警戒して接していたけど
あの日以来、昴さんは本当に私に手を出したりしなかった。
…多少、言葉で揶揄われるのは変わらないけど。
今日は私の仕事がお休みの日ー…
午後から昴さんに呼ばれ、料理教室を行う予定で
先ほど工藤邸に着いたところ。
リビングのソファーに座り、昴さんと料理のメニューを相談する事になった。
『今ある材料は何ですか?』
「野菜はキャベツや人参、あとは玉ねぎがあります。
お肉は豚バラブロック、あとは殻付きの海老が残ってます。」
『じゃあ今日はポトフでも作りましょうか。
海老は殻を剥いて冷凍しておいて、また後日使いましょう。』
メニューが決まったところで
早速調理を開始しようとしたら、昴さんのスマホが着信した。
「阿笠博士からです。ちょっと待ってて下さいね。」
昴さんはその場で電話に出ると
何やら慌てた様子の阿笠さんの声が少し聞こえてきた。
「なるほど…じゃあ子供達の迎えは私が行きますね。
場所を聞いてもいいですか?」
…ん?迎えって…?
昴さんは阿笠さんとの電話を終えると私の方へと向き直った。
「すみません、美緒さん。
今日の料理教室は中止でもいいですか?」
『構いませんけど…何かあったんですか?』
詳しく話を聞いたところ少年探偵団のみんなが
神奈川県の沖合いで海釣りをしているらしく、
彼らを迎えに行く予定だった阿笠博士は用事ができて行けなくなってしまったので、代わりに昴さんに迎えを頼んできたんだそうだ。