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《赤井夢》Happiness{R18}

第16章 料理




キッチンに戻ってくると途端に香るカレーのいい匂い。


カレーを少し掬い小皿に入れて
スプーンで味見をするととても美味しく出来ていた。


『んー!!最高に美味しい!沖矢さんもどうぞ!!』

「……いいんですか?」

『?当たり前じゃないですか……あっ…』


あまりの美味しさで興奮していたから気づかなかったけど
私は今、自分の使ったスプーンでカレーを掬い
沖矢さんに差し出している状態。

所謂…あーんって食べさせてあげようとしてるやつで
無意識にやってたから全然気づかなかった。


『ご、ごめんなさい!新しいスプーン出します…!』

「いえ…そのままで。」

『へっ?……!?』


沖矢さんは私の手が動かないように手首を掴み
そのままスプーンを口に含んでいた。


『あ、の…沖矢さん…?』

「…とても…美味しいです。」


…真面目な顔でそう言われた瞬間
私の顔は急に熱くなってきて…

ぽんっと湯気が出たみたいに頭の中が真っ白になった。


「ふっ…美緒さん顔が真っ赤です。」

『!!沖矢さんのせい…「昴。」……え?』


沖矢さんは私の手首を掴んだまま
自分の名前を口にしていて私は首を傾げた。


「沖矢さん、ではなく昴って呼んで下さい。」

『え!?いや、それはちょっと…』

「呼ぶまでこの手は離しません。」

『っ、卑怯です…』



掴まれている手首は決して痛くはないけど
きっと私が頑張って外そうとしても男の人の力には敵わない。
仕方がないのでここは大人しく…


『昴、さん…』

「これからは…そう呼んでください。美緒さん。」


そう呟いた昴さんはとても優しく笑っていて…




その笑顔をみると何故か赤井さんが笑った時の顔が頭の中に思い浮かんだ。









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