第14章 残酷 ✴︎
「…前にも言ったと思うが
俺はお前が泣いている所は…見たくない。」
『…。』
赤井さんは私の頬に手を添えて涙を拭った後
顔を近づけて悲しそうな目で私の目を見つめてきた。
「だがその涙の理由は
俺に会えなくなるからだと…自惚れてもいいだろうか。」
『っ…当たり前じゃないですか!
それ以外に理由なんてありませんよ!
赤井さんのばか!…っ…、んんっ…!』
もっとたくさん文句を言ってやりたかったのに
私の唇は赤井さんの唇で塞がれて、それ以上話すことはできなかった。
『ふ…ぁ……んッ…』
「っ、美緒…」
昨日されたキスとは違い、今日はとても激しいキス。
呼吸をする為に少し口を開いたら
赤井さんの舌が侵入してきて、私の口内を犯している。
ひたすらキスを浴びせられている私は
徐々に足がガクガクと震え、立っていられなくなってきて…
唇が離れたタイミングで赤井さんの胸にもたれかかって服を掴み、彼の顔を見上げた。
『あ、かいさ…ん、私…』
「美緒…何も言うな。」
言葉を遮った赤井さんは
私の体を抱き上げて寝室に向かった。