第12章 同僚
1時間くらい経った後でジョディも仕事場に戻ってきた。
…コイツの様子からすると、随分美緒と仲良くなったようだった。
「ねぇシュウ…」
「なんだ。」
「あなたって…美緒のこと好きなの?」
そう俺に尋ねたジョディの顔はとても真剣で
正直に答えろという強い視線を浴びせてきた。
…確かに俺は美緒に惚れている。
だが…もう二度と恋人は作らないと決めている。
もし美緒を失ったら…俺は今度こそ耐えられない。
だからあいつの側で
あいつが笑っていられるように守りたい…
ただそれだけだ。
気持ちを伝えようとは思わないし
俺のこんな気持ちを知ったらきっと美緒は困るだろうからな…
「あいつは俺にとって大事な奴で…守りたいと思う女だ。
この答えで勘弁してくれ。」
「……そう。」
ジョディはそれ以上何も言ってこなかった。
きっと俺の考えている事は何となく分かっているんだろうな。
「よし!じゃあ今の仕事が落ち着いてから
私も美緒の作ったご飯をご馳走になろうかしら!」
「ふっ…あいつの料理は最高だぞ。
その辺の飯屋より断然に美味いからな。」
「もう……本当に美緒がお気に入りなのね。」
…お気に入り、なんて言葉だけでは言い表せないくらい
俺はもう美緒に惹かれている。
そんな事、口に出して言えるわけがないがな。