第3章 1つ目のタカラ
キルアside
ドッドッドッ
キ『っ…鼓動が…収まんねぇ!!』
あの野郎…ぜってーわざとだろ今の!!!しかも「女の子だと思ってる?」って
余計意識しちまうじゃねえか!!!
キ『2人だけの秘密…か…』
今まで経験した事のない恥ずかしさと同時にそれも悪くないと1種の快楽を得ていた
キ『よく寝てる…』
ここまで生き残った受験者とはいえやっぱ人間だもんな。眠い時は眠いんだ
本能的に唯一見える唇に目を落とす。女の子…ってどんななんだろ…何もかも小さいのか、柔らかいのか、いい匂いがするのか、
どれも勝手なイメージだけれど。
キ『そもそもこんな試験に受けに来てる奴がそれに当てはまるとは限らないか…』
こんなこと本人に言ったら絶対怒られる
「じゃあハンター試験終わったら2人に顔見せてあげるね」
そんなこと言われる前から俺は結構あいつの顔が見たかった。この気持ちが破綻されない内に…
こんな気持ち…家族に知られたら…
なかったことにされちまう
キ『大丈夫、誰にも見られてない。一瞬だけ…顔を確認するだけだから…』
あいつの白いフードに手をかける。指先が、全身が、震えた
ドクンドクンドクンドクンドクン
キ「…いや、やめよう…」
こんなことするなんて…嫌われるに決まってる。
キ『あと少し…待とう』
"第4次試験終了です。これより1時間を帰還猶予とします。"
ガサッ
「終わったね」
キ「ああ」
「キルア君ありがとう。ごめんなさい付き合わせてしまって」
キ「いーよ別に。案外楽しかったし」
「そう思ってくれたなら良かった」
キ「あのさ…」
「ん?どうかしたの?」
キ「俺ー
き「お姉ちゃああああああああぁぁぁ」(ドドドド)
どかあぁん!!
クソ、邪魔が…
き「うわあああん1週間長かったよお!」
「うん、うん。…………ピンキー苦しい」
ゴ「あ、3人ともー!」
「あ、ゴン君!プレート取れたの?」
ゴ「ああ、…………うん、まあ(汗)」
「?」
き「えーヒソカなら絶対取れないと思ってたー」
俺もいつか…あんな風に笑って過ごしたいよ、兄貴。
キ「ちょっと、俺もいるんだけど」タッタ
ゴ「あ、キルアお疲れ様ー!」