• テキストサイズ

君は水面に輝く光【番外編・短編集】

第5章 海いこうぜ![5]




翌朝、龍之介を起こさぬようそっとベッドを抜け出したは、静かに支度を整え部屋を出た。
集合はエレベーターの前という事で向かえば、すでにほとんどの寝起きドッキリに呼ばれたスタッフが揃っていた。

「おはようございます。遅かったですか?」
「ううん、早いくらいだから大丈夫だよ。はい、これドッキリ用の看板とマイク。ピンマイク着けるね」

スタイリストにピンマイクを付けてもらい、渡された看板とマイクを受け取れば、軽く髪を直してもらっていざ撮影開始である。

「まずは八乙女くんからね。準備OK?」
「はーい。OKです」
「じゃあ、よーい、スタート」

尚、ここまでもこれからも早朝の為皆小声である。

『おはよーございまーす。ただいま朝の5時となっております。という事は?皆さんわかりますよねー!寝起きドッキリしかけていきたいと思いまーすっ。今回は、なんとTRIGGERのお三方に仕掛けていきます。さてさてどうなるでしょーか!お、ここですね。誰かな誰かなー』

そっとカードキーを差し込み、ゆっくりと音を立てぬよう扉を開く。
まだ薄暗い室内を確認しながらゆっくり進めば、ベッドに眠る楽の姿。

『八乙女楽さんでーす。朝から麗しい…やばい…神々しさすら感じる…ではでは、起こしていきたいと思いまーす』

マイクと看板を床に置き、はにぱりと微笑み楽に近づく。

『楽ー、起きてーがーくー!』
『ん……?っ?!!』
『おっはよー!』
『……………え?』
『寝起きすら美しい…おっと、忘れるとこだった!テッテレー!寝起きドッキリー!』

一体どこにドッキリ要素があるのかと言われれば少々謎だが、楽を始めTRIGGERの寝起きという貴重な映像が流れ、TRIGGERのメンバーからしたらが起こしに来るという事自体が既にドッキリなのだからそれでいいらしい。

『ねおき…どっきり…マジかよ!つか今何時?』
『5時』
『はえぇよ…もうちょっと寝かせてくれ…』
『今から天と龍くんとこにもいくけど、寝てる?』
『行く』

天の寝起きがどんなものか気になると言う楽は即答し、そそくさと寝間着の上からバスローブを羽織る。
それだけで絵になるのはさすがと言えよう。
準備を整え、続いては天の部屋。
先程と同じように部屋へ入れば、すやすやと眠る天の姿。

/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp