第4章 海行こうぜ![4]※
「そうですか。で、万理さん…ひじょーーーに申し上げにくいんですが…龍くんにはドッキリ通用しません」
『え?』
「ここに居ます、今…」
『あー………ごめんっ!邪魔した?!!ほんっとにごめん!!』
「いえ!いいえ!大丈夫です!」
本当はいちゃつき始めたところを思いっきり中断されているのだが、そんな事電話越しとはいえ言えるはずがない。
龍之介はの応対からドッキリが仕掛けられることを察してしまったようで、くすくす笑いながら時折の至る所に口付けを贈っている。
『じゃあ…彼にはちょっと演技してもらうってことで…』
「伝えておきます。5時スタートですか?」
『そうだね。それまでにメイク…はいいんですか?も寝起き感を出したい…なるほど』
「洗顔と下地までやっときまーす」
『うん、仕事増やしてごめんね』
「とんでもないです。連絡はそれだけですか?」
『うん。あとはゆっくり休んで。…ちゃんと寝るんだよ?』
「了解です。早めに寝ます」
『じゃあお疲れ様。おやすみ』
「はーい、万理さんもお疲れ様です。おやすみなさーい」
受話器を置いて通話を終え、はベッドに腰掛ける龍之介の膝に乗る。
「寝起きドッキリしちゃいまーす」
「じゃあ、俺部屋戻らないとダメ?」
「だねぇ…」
「と寝たかった…」
「私も龍くんにギュッとしてもらって寝たかったぁ」
「5時スタートだから…4時おきになっちゃったの?」
「準備そんなにいらなそうだから4時半で大丈夫。龍くんは5時に起こされちゃうから、早めに寝ないと」
苦笑しながら呟き、は龍之介を見上げる。
早く寝なければならないのは分かっている。
けれど、この火照りだした体を治められるのは、龍之介しかいない。
「…龍くん…わがまま言っていい?」
「俺も、わがまま言おうとしてる」
「抱いて?」
「抱かせて?」
の問いに問いで返す龍之介に、2人でくすくす笑い、そのまま口付ける。
「お風呂、後でいっか」
「一応シャワー浴びたしね。それよりも早く繋がりたい。龍くん、来て?」
「ちゃんと慣らしてから。短い時間でも、たっぷり気持ちよくなろうね」