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【BL】彩るはblue【Dom/Sub・R18】

第7章 もやもやするこの気持ち。


26)

「あおくんっ」


その男子生徒はパタパタと俺たちの元へ走って来る。

俺は慌ててあおから身体を離した。


「あれ、ましろ、どうした?」


『ましろ』と呼ばれたその子はあおの側に寄ってくると、腕を取ってぎゅっとしがみつく。


「あおくん、お願いがあるんだけど…」


あおの腕にしがみついたままあざとく目線を上げて。


「最後の学祭、一緒にライブに出てくれない?」


そういえば学祭で生徒達によるライブも開催されるんだったな。
それに一緒に行こうってことか…

…この子、あおのこと好きなのかも知れないな。


「お、あお、いいじゃん、一緒にライブ行ってやれよ」


そう言いながら、自分の胸が少しチクチクするのはなぜなんだろう…


「やだよ、俺は学祭は朔ちゃんを連れ回すし」

「連れ回すっておまえ…」

「それに、こいつは一緒に行こうって言ってるんじゃなくて、『出て』って言ってんの」


行こうじゃなくて出て……?


「っ、おまえバンドなんてやってんの!?」

「そんな驚かなくてもwそれに正確に言えば『やってた』かな。で、その時のメンバーのひとりがこいつ、ましろってわけ」


あおにしがみついていたその子は身体を起こして姿勢を正し、俺を見てニッコリと微笑う。


「3年○組の遠野真白(とおのましろ)です。ウワサの吉野先生♪」


授業は何度かしているけれど、まだ担当クラス全部の生徒の名前と顔を把握していないからなぁ…

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