第4章 保健室の告白。
12)
「もっともっと俺と一緒に気持ちいいPlayしよう」
な、何を言ってるんだコイツは。
「ちょっと話が飛躍すぎだって。さっきも言ったけど、おまえは生徒で俺は先生…」
「その前にひとりの人間だよ、ずっと朔ちゃんのことが好きで好でやっと会えたんだよ?しかも俺はDomで朔ちゃんはSubとかこんな嬉しいことある?…だからお願い、俺だけのSubになって…」
Glare(グレア)がなくても、あおの必死に懇願する瞳に気持ちが揺らぎそうになる。
でも、おまえは良くてもさすがに俺が生徒に手を出すとかダメなんだ…
「~っ、もうこの話は今日はおしまい。ほらもう帰るぞ」
俺はあおの腕からなんと抜け出し立ち上がった。
「これ、ありがとう。気をつけて帰れよ」
ひらひらとガーゼの貼られた方の腕を振って俺は保健室を出ようと歩き出す。
…あおがその気になれば、Glare(グレア)を使ってCommandを出せば俺を従わせることだって出来るはずなのに…
あおは今まで俺が関係を持ってきた男たちとは違うのかも知れないな…
「あ、朔ちゃん待ってよ」
俺の後を追ってきたあおも一緒に保健室を後にした。
───
「……ちゃんと周りも見ないであんな話をするなんてね……吉野先生と3年の高山蒼斗か……ふふっ、面白そうだ…」
保健室での俺たちの話を聞いていた人物がいたなんて、その時は知るよしもなかった。