第18章 禪院直哉 お友だちにバレんで?
「なまえちゃん。これ忘れもん」
握っていた拳を開くと直哉の手には数日前履いていたわたしのパンツがある。
「なっ!直哉さん…!」
直哉は突然レイプしてきたゲスな男。
そんな人と一緒にいるところを見られたくない。
もし、誰かに見られたりしたら…
「パンツいらんの?」
「いります…!」
「なあ二人きりになれるとこあらへん?
俺はええけど、お友だちにバレんで?」
普通に生きていたら迷わず警察に突き出したい。
けれど呪術師は実力の世界…、己の弱さを思い知らされた瞬間でもあった。
一時は快楽に飲まれ、もっとして欲しいとさえ…
「こっち…来てください…」
先ほど使ったばかりの屋内稽古場。
教室や寮からも離れ、気付かれる可能性は低いと考えた。
「汗くさ。さっきまで稽古してその格好?」
「そうです…。あの、用件って…」
「俺も時間ないし早よ済まそ。
仰向けになって?」
言うことを聞かないと無理やりされるのだろうか。
それにもし顔を殴られでもしたらみんなにバレて…