第14章 夏油傑 貴方のことを考えながら
「ふ…んっ、…んぅん…」
誰もいない部屋でぴちゃぴちゃ水音が鳴る。
傑の部屋に入ったら急に恋しくなってしまった。
「傑…、会いたいよぉ…」
自分の足りない指を懸命に動かす。
傑に触られた時を思い出しながら
息をいっぱい吸って、傑の衣類に顔を押し付けながら…
「ぁ…あっ、イク…イク…傑っ!あっっ」
小さな快楽が走った。
あれから何時間やっていたのだろう。
時間を物語るように傑の服によだれのシミがついている。
枕も、シーツだって…大きなシミが。
「はああ…なにやってんだろ…」
だるい体を起こし、
当の本人がいない部屋から出ようとしたら
扉の先に傑が立っていた。
(聞かれてた…!?)
傑が何事もなかったように微笑む。
「洗濯物、片付けようとしてくれたのかな?」
「へ…あっ、そう!そうなの!
しばらく帰ってこないと思って…」
「ふぅん。にしては随分大がかりだね」
「!?」