第10章 夏油傑 「おやすみ」
「くっ…イクよ、なまえ…。
なまえの可愛いお尻に熱いの出すからね」
(ひゃぁ…!?)
どぴゅっと傑の体液をかけられるのを肌身で感じる。
出し終わった後も名残惜しそうに擦りつけて…
「はぁ…今日はここまでにしよう。
なまえにバレたら元も子もないからね」
(え…?どうしてそう思うの…?)
傑は大切にものを扱うように丁寧に体を拭いてくれる。
最後に瞼に口付けをそっと落として…
「おやすみ」
と甘い声で囁く。
自分の指で発散することも考えたけれど、不思議と触る気にはなれなかった。
考え事をしていると眠気が訪れ、
いつのまにかわたしは朝を迎えていた。
「おはよ。なまえ」
「おはよ…」
爽やかな声で微笑みかける傑。
ずっと傑の気遣う優しさに気付かなくて…
「傑…、ど…どうしよ…」
「ん?」
わたしは誘い文句がわからなかった。
たどたどしい話し方に動きまで固くなってしまい、
顔から火が出る思いで口にする。
「体…いや、アソコが熱くて…」
恥ずかしくて死ぬ。
これ以上先は言えなくて、しどろもどろになっていると傑がキスをする。
「なまえ。私を誘ってる?」
ずっとこの言葉を待っていたんだろう。
押し倒されるのにそう時間はかからなかった。
<終>