第60章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車最終章 五条悟
「…んだよ。遠慮するところじゃねぇぞ」
これは遠慮ではない、懸念だ。
「五条先輩」
「何だよ」
「数ではなく、気持ちが一番嬉しいので着物は一着あれば十分です」
そう言うと何か思い出したのか、五条先輩の長い睫毛がピクンと動く。
おそらくわたしと同じことを思い出したんだろう。
「ならセックスも回数じゃなく気持ちってこと?」
「…」
「ははっ、何黙ってんだよ~」
一回だけで抱き終わってしまう。
確かに気持ちのないセックスほど虚しいものはないが、一回出して終わられるのも物足りない気がする。
そんなことを考えていたら五条先輩にぎゅっと抱き締められ、耳にキスをされる。
「なまえがエッチな子で本当に良かったよ。俺の性欲、あんなもんじゃないから」
「ひ…」
何か途轍もないものを目覚めさせた気がする。
ベッドの上でもそれはもう五条先輩は最強でした。
-終-