第60章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車最終章 五条悟
「はい…。そこ、動かされるの、すごく気持ちいいです…」
みっちり重なっているところを擦られ熱くなる。
五条先輩の大きな体に組み敷かれて、向かい合ったまま指を絡み合わせる。
「俺も、なまえを感じるだけで全部気持ちいいよ」
同じ気持ちを共感できて、自然と頬が緩む。
激しく求め合う前兆としてゆっくりキスを堪能し、五条先輩はゆっくりと唇を離す。
「少し気が早いんだけどさ。なまえは花嫁衣装、和と洋どっちがいいの?」
おめかしした自分を想像するより、スタイル抜群に着こなす五条先輩を想像する。
「うーん…。白のタキシード姿もみたいですけど着物姿も見てみたいです」
「着物なんていつでも着てやるぜ?うちにまだ着てない袴とかいっぱいあるし、女もんの晴れ着は仕立て屋も張り切り度が違ぇからな」
今度見繕ってやると言われ、普段の戦闘スタイルが制服だけに五条先輩の懐事情が心配になった。
遡ること一年前。
高専で初めてお誕生日を迎える日のこと。
五条先輩と夏油先輩は任務中のため灰原くん、七海くん、硝子先輩の三人でお祝いしていたところ食べ切れない数のホールケーキが送られてきた。
宛名をみると五条先輩から送られたもので、おそるおそるお礼を言いに行ったら「お前の好みわかんなかった」とツンケンした態度を取られ、その不貞腐れた態度の理由はどうやら夏油先輩に「いくらケーキが好きだからとはいえそんなに送られたら迷惑だ」と怒られた後だったらしい。