第53章 五/夏/七/甚/直 妊娠しないと出れない電車-参-
「話題の一つだよ。お前を待ち受けにして意識されんのなら本望だけど、脈も感じねぇお前に無謀で挑むほどバカじゃねぇ。お前の写真が欲しくても絡みにいったらビビられるか、七海の野郎に阻まれるし」
「え。七海くんが…?」
知らなかった。
五条先輩がすごすぎて怖い…と灰原くんや七海くんには日常会話の中でふとした瞬間ボヤいていた。
夏油先輩も同じくらいすごい先輩なのだがそれ以上に物腰が柔らかくて話しやすいし、尊敬できるから怖さはないのだが。
「まあそっちは気付いてねぇならこれ以上言わね。あっちに戻ったら一緒に写真撮ろうぜ。待ち受けにしたい」
五条先輩がそれほど気にしてたとは思わなかった。
いつも飄々としていたし、弱い人は眼中にないものだと思っていたから。
「それともまだ俺のこと怖い?」
「い、いえ…」
「ビビってんじゃん」
ぷっと吹き出すように笑われても、急に打ち解け合えるフレンドリーさは持ち合わせていない。
「まあ焦らなくていっか!グラサンないおかげ?」
五条先輩は急に色っぽい上目遣いを寄こし、そのまま唇を重ね合わせてきた。
舌をちゅるっと吸われながら乳首を摘ままれる。