第50章 七海健人 ペアリング
幸せに浸かりながら湿った体を寄せ合っていると、幸せの吐息を耳元で感じる。
「嬉しいです。こんなに感じてくれて…」
「すごかったよ七海くん。上手なんだもん…」
「そう、ですか…?」
生まれてこの方、十九年。
初めての相手が七海くんだから点数は付けられないが、これ以上ないくらい快楽を刺激された気がする。
「うん?…どうかしたの?」
「いえ、そう言ってもらえたのが嬉しくて…。いつも妄想ばかりでセックスしていましたから」
「…」
よくよく考えると女っ気のない七海くんもわたしが初めての相手なのだろうか。
聞くのは怖い。だけどちょっと気になる。
「えっと…もしかして、七海くんもこれが初めて?」
「ええ。なのでちゃんとイかせられるか不安でした…。体の相性で拒絶されたらどうしようかと」
「七海くん。そんなこと考えてたんだ」
体の相性なんて全く考えてなかった。
抱かれる立場だと思って完全に任せちゃったし、むしろ両想いなら全部気持ち良いんじゃないかと勝手に想像していた気もする。
「なまえさんは考えなかったんですか?セックスが下手だとか、アレが大きいだとか…」