第49章 五条悟 幸せ家族計画
「悟って現当主なんだよね?」
「何を今さら。欲しいもんでもあんの?」
休日。デパートのショッピング巡りをしていると子供服売り場が目についた。
「赤ちゃんなんだけどさ。男の子欲しいの?」
「…」
悟がフリーズした。
なにかマズいことを言っただろうか。
「悟?」
「おまっ…公共の場でやらしー話すんなよ。赤ちゃん欲しいって…俺に中出しされたいっておねだり…」
「暴走してるの悟だから。純粋に聞いてるんだけど」
実際にそういう過程で赤ちゃんが生まれるんだろうけど発想が豊かすぎる。
「…まあどっちでも良いけど。術式継承問わず鍛えやすいのは男だろうな。つーかどっちも産めば問題なくね?」
「そうなんだけど。高専卒業したら結婚するだけじゃなくて出産もする目的があるからちょっと緊張しちゃって」
「考えても無駄だろそんなこと。元気な赤ちゃん、それでいいじゃねーか」
「たまには良いこと言うね。口悪いけど」
「元からだよ」
買いたいものを買い終わってプラプラと当てもない寄り道にも付き合ってくれて、悟は「もう疲れたー」と長い足を放り投げる。