第48章 伏黒甚爾 ワガママ
「迷惑…というよりかは一緒に回れないよ?
友達一人にさせるわけには行かないし…」
「だよな…。友達いるんだもんな…」
うっ。なんだこの可愛い生き物。
大きい体でエロいことしてくるくせに幼気な。
「…解決策ではないけど二人で旅行行く?」
「何しに?」
「観光とか美味しいもの食べたり、温泉宿でもビジネスホテルで泊まるのもいいし」
「欲がねぇのな」
「どちらかというとインドアですから。
自分で予定立てたりするのは苦手なのよ」
だからその場だけの友達しかいない。
勉強して仕事で時間を費やして、家に帰ればボーッとするのが至福のひとときが待っている。
…甚爾と出会う前までは。
「ヒモさんはどーなの?」
「その呼び方やめろ」
「たまに呼ばないと忘れちゃうもん」
「そーだな…。夏だし水着姿みてぇな」
「…!」
適当なことを言われると思ったが、しっかりと意見を言われてドキッとする。