第48章 伏黒甚爾 ワガママ
「二泊三日の社員旅行ねぇ…」
甚爾はしおりを見ながらポツリとつぶやく。
「去年はバタバタしてたから開催されなかったんだけど今年はやるんだってさ。しおり忘れちゃうから返して」
「で…行くのか?おっさんどものご機嫌取り」
「友達いるし格安だし沖縄だし!…なにかご不満?」
「いや。なにも?」
と言うけれど目が何かを訴えている気がする。
早めに荷物をまとめていると後ろから抱きつかれる。
「にしては浮かれすぎてねーか?」
「こういう時にしか旅行行けないもん。職場にしか友達いないし、その友達も旦那様優先だし、そういうもんよ」
準備が早いのは元々の性分だ。
衣類以外のものをキャリーケースに入れれば一区切り。
「おみやげ買ってきてほしいのある?」
「いや…」
「なんか機嫌悪いね。寂しんぼ?」
「ふっ…そーかもな」
甚爾はちゅっとキスをしてきて、首筋に顔を埋めて、おっぱいをふにふに揉んでくる。
「なあ。俺も行きたいって言ったら迷惑?」