第47章 五条悟&夏油傑 親友の彼女-拾-
「あ…また祓われた。
呪霊にお馬さんしてもらうのは嫌だったかい…?」
自宅から少し離れた原っぱで遊んでいると、長男の陽が無邪気に笑いながら跨っていた傑の呪霊を祓ってしまう。
「ははっ本能でしょ。なあ陽?」
「うん!すぐる、強いの出してっ!」
「陽。何度も言うけれど私の術式で大人しいんだ。本当はもっと狡猾で恐ろしいんだよ…?」
「じゃあすぐるがお馬さんして?」
「私じゃなくてたまには悟にお願いするのは…」
「お父さん、お稽古は熱心だけどお遊びは下手だからつまんないよ」
…だろうね。
遊びは傑の方が上手いって言いまくったら手は繋いでくれるけど、最近はマジで遊びに誘われなくなったし。
傑は僕の子どもに好かれて満更でもなさそうだ。
傑がお馬さんの体勢になると長男だけでなく、別の遊びをしていた次男も駆け寄る。
「傑。馬のセンスあるんじゃね?」
「全然嬉しくないよ…。
あっちでおままごと遊びしたい…」
そう言うと傑の子どもである長女がやってきて、
助けに来てくれたんだと傑はパッと明るい笑みを浮かべるも長女は片手をぐっと前に出す。
「…?」