第45章 五条悟 親友の彼女-捌-
「悟。ベッドびちょびちょにしたくなかったらホテルにしなよ」
「おう。サンキュ」
シャワー室の一件以来、久々に恋人と触れ合うのに妙に緊張した俺がいた。この俺が。
「悟?」
なまえと部屋で二人きりになって壁に視線を投げる。
今まではよかれと思って壁の薄さなんて気にしないでやっていたが、今はなんかちょっとハズイ。
「なまえ。ホテル行かね?
ここじゃいっぱい声出ちまうだろ?」
「うん、そうだね。お布団濡らしちゃうし…」
「だな。どのホテルにする?普通の感じがいいのか、
コンセプト系がいいのか…」
以前は俺の独断で決めていたが、傑と出入りするようになって少し目が肥えたはずだ。
今後に役立てようとなまえの趣向を知るためにも…
「綺麗めのところがいいな。悟がいつも選んでくれる大きいベッドのところ…!」
「いつもみたいなとこでいいの?」
「うんっ。最初はオシャレすぎて緊張しちゃったけどいっぱいエッチしていい場所だってようやくわかったの」
やっぱコイツは最上級に俺を喜ばせるのが上手い。
なまえのために選んでいたところが結果的に好きになってくれてよかったと思わせる。