第43章 夏油傑 親友の彼女-陸-
「…悟には言わないの…?」
「もし言ったとして結果はどうなる?悟と最後までセックスして…一緒になって、悟の子どもをつくるんだろ?」
「結果はそうかも知れないけど…傑と離れたくない…」
「それじゃあ私はこれまで通り
…セックスフレンドにでもなればいいのかい?」
「うーん…そういう卑猥なのじゃなくて…」
しまった。言葉選びを間違えたか。
他になんて言えばいいのか見つからない。
ただ逃げるのではなく大事な一歩を踏み出すとしたら
悟と真正面から話さなくてはならない。
なまえに話したことが悟の耳に入っていたとしても、自分から話したことはなかった。
「…悟と話すよ。なまえの願いが叶えられるなら…
いや、ずっと三人で仲良くいられる方法があるのなら
…私は三人で幸せになりたい」
私の理想になまえは笑って応えてくれる。
悟と本心で向き合うのがこれほど怖いなんて。
これが親友の彼女に手を出した挙句、愛を告白した報いなんだろうか。
<終>