第40章 夏油傑 親友の彼女-参-
「なまえ。お疲れさま」
「お疲れさま。やっと高専帰れるー」
快適なホテルよりやっぱり居心地のよい高専の方がいいみたいだ。
悟に頼まれる前から後部座席に乗り込むと甘えるように寄りかかってきて、他の連中にもそうなのかと聞けないでいる。
なまえは極端に単独任務を嫌がる。
もともと女性の術師は稀だし、大半が男なのだ。
(心配だなぁ…)
なまえに振り回されている男は私だけじゃないはず。
基本、担任と行動することが多いらしいが、担任以外の男とどう距離感を保っているのか気になる。
一番じゃなくても特別だと思われたい。
少なくとも抱かれたい男No.2にいるんじゃないかと思うくらい好意を感じるし、うぬぼれたい欲がある。
夕方過ぎに高専に到着し、なまえと別れて早めにシャワーを済ませる。
「はぁぁ…ヤバい」
壁越しに聞き続けたなまえの喘ぎ声。
透け越しだったけど明るい場所で裸も目にした。
みだらな格好をしたなまえが自分のベッドに横たわる日が来るとは…
「平常心…平常心…」
それから程なくしてなまえがやってきて、自分からちょこんとベッドの上に座った。
おそらく悟の部屋に入って同じ行動をしただけなのだろう。
…緊張して落ち着かないのは私だけか?