第36章 七海健人 夫婦交換しよ?-肆-
朝日に気づいて目を覚ますと、腕枕をしてくれている健人さんがすやすや眠っている。
一泊目も二泊目も目覚まし時計より早く起きており、そんな貴重な健人さんの寝顔を食い入るように見てしまう。
「んん…」
眉間にシワを寄せた表情も色っぽい。
昨晩は今までにないくらい激しく入り乱れ、最後の名残り惜しさというものを感じる背徳セックスだった。
それにセックスが終わった後も…
わたしが寝るまでずっと頭を撫でてくれていた気がする。
(この人がわたしの旦那さんだったらなぁ…)
なんて危ない考えを全方向から考えてしまう。
でもダメだってわかってる。
わたしが愛されたいのは陽だけ。
(帰ったら陽にちゃんと謝ろ…)
初めて精力旺盛の人と寝て気付けたことがあった。
わたしは陽に言われたように性欲が強い。
それが日に日に陽のストレスになってしまったんだと自分に言い聞かせるように納得させる。
「健人さん、おはようございます」
「おはようございます…。先を越されてしまいましたね」
寝ぼけた声がやたらと低くてエロっぽい。
昨日あんなに求め合ったのに疼く体もどうかしている。
「体の調子はどうですか…?」