第35章 七海健人 夫婦交換しよ?-参-
「本当にそう思います。妻は陽くんを誘ったのは
自分にも強い性欲があるからだと話してくれましたが
わからなくなりました…」
今まで健人さんの精力旺盛さについて行けたということは静先輩もそれなりに性欲があるということ。
お互い本音の話し合いができていなくて虚しさが募る。
「そう言えばなまえさん、
写真撮られていませんでしたか…?」
「あ…そうなんですけど、気持ちごと一緒に残してしまいそうで…」
「今はどうです?」
そう聞かれて気持ちが軽くなっていることに気付く。
健人さんとは本音で話せるから自然と表情も柔らかくなる。
「この辺はフォトスポットが多いので撮りますよ」
「なら一緒に撮りたいです…!ひとりだと寂しいので…」
素直に甘えてみると、健人さんは柔らかい表情で「いいですよ」と答えてくれる。
健人さんは長い腕を伸ばし自撮りモードにしたのだが。
「っ…すみません。
こういった角度には慣れていないもので。すぐ消します」
健人さんは連続撮影してしまい、
わたしは笑いを堪えきれなくなって笑ってしまう。
「いえっ…ふふ、ごめんなさい。笑いが止まらなくて…」
「連続撮影にはしていないのに…
なぜこう何回も…。設定がおかしいんでしょうか?」
自撮りに疎い健人さんにまた笑ってしまう。